けいおん!!最終話(24話)「卒業式!」

けいおん最終話見ましたよー!

もうけいおんは当初「こんなただの萌えアニメにハマるわけないだろJK」と
思ってたのにも関わらず今じゃ毎週正座の勢いで見てます。
そんな思い入れの深いアニメの最終話「卒業式!」で気合が入らないわけがありません。


そんな入れ込みにも関わらず、終わって一番の感想は「それだけ?」というものでした。
卒業式にも関わらず、泣かせるような盛り上がりの演出もなくキャラの表情の動きも少なく、地味な印象でした。
しかし、それにはスタッフの意図が強烈に表れたものでした。



唯たち同じ大学に行く4人は卒業式はあくまで通過点。
これからも楽しい日常が過ぎていくことは変わりがないため、この回でいろいろする必要はないのです。
そのため演出もあえて地味に。
特筆すべきことは回想シーンが全くないこと。
卒業式で回想シーンを抜くというのはとても挑戦的な演出だと思います。



そしてそういう「日常」がベースラインにある最終話ですが、このベースラインから浮いているキャラがいます。
残される部員である梓と、同じく送る立場であり保護者のさわ子先生です。
そして視聴者がこの二人と同じ立場に立っていることになります。



これまで先輩たちが卒業するさみしさをがまんしていた梓は
ここではじめて「卒業しないでください!」とわがままを言い、大いに泣きます。
この視聴者の気持ちを代弁したとも言っていい行動に4人がどう対応したかというと、
おとなしく見守ることでした。
確かに唯はいくつかプレゼントをしましたし、「ずっと一緒だよ」というメッセージの曲も歌いました。
しかしいつもの「あーずにゃーん!」と言いながらのスキンシップなどはなし。
これにはあえて突き放すことで視聴者とけいおんという作品の別れを促す意図があったのではないかと思います。



また、泣いていた梓は先輩たちの演奏が進むにつれ段々と涙がひいていきます。
学園祭の20話が「泣いていいんだよ」というメッセージを持った話であるのに対して、
最終話では「泣かなくてもいいんだよ」というメッセージを伝えているのです。



また、さわ子先生は4人が演奏中のとき、部室に入ることができず外で曲を聞いていました。
これも最終話後の視聴者の姿につながります。
最終話の後、視聴者はもう二度とこの世界に入ることはできず、曲をコンテンツとして消費することしかできないからです。




こうやって4人は視聴者の目線の向こう側に行ってしまいました。
4人は全員同じ大学に合格するといういかにもフィクションな過程を経て
「ずっと永遠に一緒だよ」というキレイなメッセージを残して去っていくことで
永遠の「キャラクター」となりました。
この結末はけいおんの4人はあくまでキャラクターであって、
人間とは違うということを強烈に視聴者を突きつけている点で非常に素晴らしいと思います。




俺らは卒業させられてしまった!あの4人の楽しい日常は永遠に続くけど、俺らはそこにはいられないんです!

まー、この解釈も大学編が始まったら全部筋違いになってしまうんですがw
とりあえず今のところはこれで。