朔ユキ蔵「セルフ」

セルフ 4 (4) (ビッグコミックス)

セルフ 4 (4) (ビッグコミックス)


今年のランキングに入れようかと思ったけど、
その時点ではうまく言葉にできなかったのでここで紹介。


セルフというタイトルでお察しの方もいると思いますが、オナニーマンガです。
オナニーを自分の快感と真摯に向き合う行為として
非常にポジティブに捉えています。
そこらへんからもわかるんですが、この作品、穏やかに見えて実はものすごくパンクです。
パンクというジャンルが存在しなかった時代にセックス・ピストルズが出てきたことぐらいパンク。
物語構造としてはモテない男が一念発起してモテる努力をする、
という物語の真逆をいってます。


そんなことを言うと重く見えそうですが、読んでみるとものすごい爽やか。
主人公をはじめ、全員がマジメな顔してバカやってるからです。
ものすごくシリアスに描いた結果、ギャグになっている素晴らしい作品です。


個人的には久保ミツロウの「モテキ」と一緒に読むと面白いかなーと思います。
ハーレム状態なのに主人公にはどうしようもできなかったりする状況とか、
最終的に人間関係の問題から内なる問題へ回帰していくあたりとか。