我思う、故に百合あり。だが、そこに我、必要なし。 倉田嘘「百合男子」

百合男子 1 我思う、ゆえに百合あり。 (IDコミックス 百合姫コミックス)

みなさん、百合は好きですか！
百合とは女の子同士の恋愛や恋愛未満の関係を描いた作品群のことであります。
最近はなもり先生の「ゆるゆり」がアニメ化されたこともあり、空前の百合ブームなのです！
しかし、百合はまだまだ弱小ジャンルである上に、男子にとっては決して知りえぬ世界。
そんな百合ジャンルで悩み、葛藤するイケメン風男子を真剣に描いたらギャグになってしまったのがこの作品、百合男子です！

主人公花寺啓介は一見イケメンで健全なメガネ男子。
しかし、その実態は百合雑誌をこよなく愛する真性の百合好きオタクであった！
そんな啓介が同級生の百合に萌えたり、百合同人イベントに参加したりする上で百合男子の業に気付いて悩み続ける、そういう話です。

もうね、最初見たときこう思ったよ！
「俺がいる！！」って！

百合世界とは男が決して入ることのできない世界。
その理想郷に男は必要ないのです。
しかし！憧れれば憧れるほど邪魔に感じられてくる、俺という名の男の不純物！
その感情が臨場感たっぷりに倉田嘘先生の卓越した技術で描かれていてほんと感動しながら笑ってしまいます。
ビジュアルはイケメンのはずの啓介がどんどんきもちわるく見えてくるｗ

百合男子の葛藤は自分という不純物だけにとどまらず、
男の娘という似て非なる外道、性表現はありか、リアリティ重視かという百合好き同士のすれ違い…。
しかし啓介を動かす「百合が好き！」という純粋な感情はそんなものでは揺るがず、
その真摯な姿勢に百合男子の一人として憧れます。

そんな真剣なのに全力で笑える百合男子。
百合のことがよくわからないという方にもぜひオススメします！

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