悲喜こもごもの人間関係を緻密に描く熱血バレーマンガ! 日本橋ヨヲコ「少女ファイト」8巻

少女ファイト(8) (KCデラックス)

少女ファイト(8) (KCデラックス)

悲喜こもごもの人間関係を緻密に描く熱血バレーマンガ「少女ファイト」も8巻に!
今回は鏡子の付き人的役割の鎌倉サラさんが中心の巻です。


ここで鏡子とサラの過去の縁が明らかになります。
サラの幼少時、サラの父親槌家は母親ミラへの暴力を繰り返し、ある日それから逃げるためにサラとミラは真冬の寒い中外へ。
そこで苦しそうにしている二人を鏡子が発見し、犬神家へかくまったことから二人の関係が始まります。
ミラの元いた鎌倉家は犬神家と対立関係にある良家であり、快く思わない人もいましたが、
鏡子の母親の計らいでミラは犬神家の料理長に、サラは病弱な鏡子の付き添いを頼まれます。
そして、朱雀高校のバレー部監督である槌家に復讐するために鏡子とサラはバレーを本格的に始めることになるのです。


一方現在、鏡子は縁談を進められている三國智之と恋愛感情を抱いている千石雲海の間で揺れ動きますが、
サラを家に置いておくために、智之との縁談を進めることに決意。
しかし、サラはそんな自分が鏡子の重荷になっているのではと思い悩みます。
また、鏡子は自分の体調不良をおしてでも朱雀高校を倒したいと思っていますが、
サラは鏡子の身体を心配してそれにはあまり乗り気でなく、すれ違いが生まれます。


とまあ、鏡子とサラの関係を説明するだけでもこんだけディープになってしまうわけですがw
それでも絶対にいい方向に向かっている!と信じられる展開はステキです。
言葉少なになってしまう二人ですがバレーのプレーの相性は変わらずにカンペキ。
揺るがない信頼関係を感じます!


また、サラを一歩動かすためにサラに想いを寄せる男子バレー部の由良木が相談にのってあげるんだけど、
このシーンがまたうまい!
いつもはニヒルでヘラヘラしてる由良木が本気出してサラに告白しちゃうとかね!いいね!


また冷徹笑顔でおなじみの三國広之がひきこもりの小田切明を学校に行かせるように説得するハメになるんだけど、
完璧人間広之がダメ人間明に対して苦戦しながらも全力投球する様が熱い!
憎たらしいけど成功してしまうあたりさすが広之。


そして最後に練と学のデート!久しぶりのほんわかシーン。この二人相変わらずラブラブやのー。
ここで練が言った台詞が非常に印象的でした。


バレーって結局、人に興味がある人が一番強いからさ
by 大石練

最近はどんな仕事でもそうだと感じます。
少女ファイトでは同性コンビも異性カップルもしっかり描いてそれでいて大きな人間関係の中にそれぞれ位置づけられるという
非常に高度な人間関係の描き方をしているので、それを描ききる筆力はお見事の一言に尽きます。
次の巻も期待です!