素晴らしいB級ゾンビ映画的ケレン味! BLOOD-C最終話

見ましたか?今最も話題のアニメ「BLOOD-C」!
僕は最後の2話だけ見ました!めちゃめちゃ面白かった!!
つーわけでそのテンションをそのまま伝える勢いだけのレビューを書きます!
ガッツリネタバレあり!


【あらすじ】
高校2年生で浮島神社の巫女・更衣小夜は、私立三荊(さんばら)学園で平和な学生生活を送る一方、
父親で神主の更衣唯芳の命により、人間を遥かに凌ぐ力を持つ「古きもの」と呼ばれる異形の存在を
唯一倒すことができる御神刀で狩るという「務め」を果たしていた。


こんな風に建前としては妖怪退治ものとして見せていたのですが、
最後2話で一気にひっくり返ります。
なんと、舞台であるこの街全ての人、学園、古きものが小夜を騙すための作り物だったのです!
うーん、なんとも大胆。
それ以前の話でも妖怪退治ものにしてはやたら違和感のあるご都合主義なストーリーのため、
ネット上では「茶番」「BLOOD-C(HABAN)」などと呼ばれていたのですが、本当に茶番だったとは!


そして茶番を仕掛けた黒幕の男、文人(茶番ではカフェのマスターを演じる)が父役の唯芳を操って小夜を襲わせますが、
華麗なチャンバラシーンを経て難なく撃退。小夜は文人に対する怒りを燃やします。
その後文人は不要となった街に古きものを解き放って住人全員を惨殺させ、
文人本人がヘリで街から逃げようとするところに小夜が斬りかかりますが、あえなく銃で撃退。
そして小夜が文人を追って東京へ行くところで劇場版へ続く!という話です。


このアニメ、アクションはめちゃ気持ちいいし、ビジュアルはめちゃかっこいいんですよ!
ただ、全てが茶番!だから、けっこうグロテスクに多くの人が死んでいくんですが、
あまり恐怖を感じず、むしろコミカルに感じて笑えてきてしまう変なアニメです。
そしてこの魅力、どこかで見たことあると思ったのです。


この面白さ、B級ゾンビ映画で見るタイプの面白さだ!と!


この劇場版への投げっぱなしなラストもゾンビ映画的ですし、
メインキャスト以外が無駄に死ぬために用意されているという状況も実にゾンビ映画的。
あとグロテスクなシーンで大きく画面を覆うモザイクや黒い帯、白いもやもや等の修正が表れ、
直接的な人体の損壊箇所を隠すんですが、なんだかこれもあまりに大胆に隠しすぎて茶番感が増します。


ただゾンビ映画と違う点は、
視聴者には「メインキャスト以外無駄に死ぬ。映画が終わるまでクローズドな状況から逃げられない」
というゾンビ映画の前提が了承されてないのですね。建前は妖怪退治ものように見せている。
だから茶番とか言いながらもBLOOD-Cをちゃんと見た人は初期ゾンビ映画カタルシスを思う存分楽しめたんじゃないかな、と思います。
茶番であることがネタばらしされてない時代の、まだパロディでない真のホラーを目指した時代のゾンビ映画のような。


こういう風にホラーと笑いの境界は紙一重であることはマンガ家押切蓮介がうまく表現しています。
押切は「でろでろ」でホラーをひたすらネタにしてギャグを書いたあと、その経験を生かして
絵柄がコミカルにも関わらずガチで怖い「ゆうやみ特攻隊」を描いています。
ホラー/笑いの境界をわきまえた的確な演出でちゃんと怖がらせてくれるんです。


ホラー/笑いの境界を突いたB級ゾンビ映画的魅力満点のアニメ「BLOOD-C」!
みなさんも最終話だけでも見ることをオススメします!

ゆうやみ特攻隊(1) (シリウスKC)

ゆうやみ特攻隊(1) (シリウスKC)