きゃりーぱみゅぱみゅの新作PVがシャフトアニメと完全に一致する件について。
きゃりーぱみゅぱみゅの新曲「CANDY CANDY」出るね!
またまた最高のPVを作ってくれましたわー。
しかしこの素晴らしいPV、どこかで見たことが?
と思ったら「さよなら絶望先生」「魔法少女まどかマギカ」等でおなじみの劇団イヌカレーの演出に似てるじゃないすか!
というかアニメ制作会社シャフトに特有の演出みたいな。
まず冒頭、現実感のある住宅街の中を走り抜けるマンガチックなきゃりーぱみゅぱみゅ。
この対比も面白いんですが構図的にも非常にアニメ的な表現であります。
まどか☆マギカOPで走るまどかと完全に一致ですね!
あとは顔に数字の書いてあるかわいくも少し不気味なバックダンサーの女の子たち。
これも「さよなら絶望先生(1期)」OPにあったね。
あとカウントダウンネタも絶望先生でよくやってたやつ。
ダンスPVのシーンはいかにも普通ですが、
バックのスタジオの無造作な壁をわざと画面に映しているあたり、現実と虚構が入り交じっております。
あと今回俺がめちゃくちゃ気に入ったのがこの邪魔ダンサー!
このダンスのキレから言って「つけまつける」のライオンさんだよね?
これもどこかで見たことあるかと思ったらホメ春香さんだった!
萌えを無理やり挿入するとホラーかギャグになってしまう、というのを双方でうまく利用してますね!
【PS3 HOME】ホメ春香 Do-Dai パンキッシュゴシック風
あとこの劇画調のイラストもいいよね。
かわいいだけじゃなく力強いのだ!
怪物に対してマシンガンを撃つ魔法少女と言えば…
暁美ほむらさん完全に一致…
女の子に武器といえばアニメ文化の王道であります。
と、まあ俺の好きなものが散りばめられた最高のPVなのでした。
このように羅列したのは何もきゃりーぱみゅぱみゅがパクりだというつもりはさらさらなく、
双方において日常と異界、現実と虚構の対比を非常にうまく利用した表現方法を突き詰めた結果、
同じような形に表れたのだと思っています。
きゃりーぱみゅぱみゅも劇団イヌカレーもなるべくお互いに影響されないように独自の仕事をしていって欲しいすね!
※2012年3月28日追記
実はこのPV、デビュー作「PONPONPON」2作目「つけまつける」とはかなり毛色の違う演出となっている。
具体的に言うとCG効果の使用が非常に限られており実写メインになっているのだ。
これに関しては音楽活動へのデビューで肩肘張ってた前2作と比べてかなりこなれてきた結果のように思える。
その証左として歌詞の変化を見てみよう。
もしもあの街のどこかで チャンスがつかみたいのなら
まだ泣くのには早いよね ただ前に進むしかないわいや
きゃりーぱみゅぱみゅ「PONPONPON」
PONPONPONの歌詞にはかなりマッチョイズムというか成り上がりラッパーのような雰囲気を感じる。
「この街でマイク片手に成り上がってきたんだぜ」に変えたらまんまZEEBRAさんだ。
2曲目のつけまつけるでは多少力が抜けたが、逆に自信のなさをあえて露呈するような歌詞になった。
おんなのこにもある 付けるタイプの魔法だよ
自信を身に付けて 見える世界も変わるかな
きゃりーぱみゅぱみゅ「つけまつける」
特にきゃりーぱみゅぱみゅのようなモデルは変身願望の塊とも言えるが、まさに今の自分を否定して「変わる」ことを指向した歌詞だ。
それが今回のCANDY CANDYではかなり力の抜けた歌詞となっている。
机とかポケットとか カバンの中にもね
いつだって忘れずあるよ 何を選ぼうかな
ちょっとちょっとほんのちょっとで 幸せは生まれて
甘い空気がふわふわ ぷんぷんしなくてすむでしょ
きゃりーぱみゅぱみゅ「CANDY CANDY」
いつでもあるもの、キャンディみたいななんでもないものでも幸せが生まれる、という歌詞だ。
キャンディを選ぶという行為はそのままモデルにとってファッションを選択するという行為につながるだろう。
ここに今までのような「今の自分ではダメだ、変わらなければ、成功しなければ」というような切迫感はない。
素の自分、キメた自分、どのキャンディも素晴らしいと歌っているのだ。
こういった精神姓の変化がCG(キメ演出)より実写(素を見せる演出)を多くし、
ホメ春香(じゃなくて邪魔ダンサーw)みたいな大胆なギャグ要素を許したのだと思う。
これからはどんな路線になっていくのか楽しみですね。
なお、「現実/虚構」の対比に関する話はこちらに詳しくあるので参考にぜひ。面白いよ!