加藤陽子「戦争の日本近現代史」


よく終戦の日とかに「二度と太平洋戦争のような過ちを犯してはならない」って言うじゃないですか。
あれって戦争に勝ってたら絶対にあんなこと言ってないと思うんですよね。
少なくとも戦中には大部分の人が「良いこと」だと思って邁進していたはずで、
なぜそのような戦争を肯定する考え方ができていったかを説明してくれるのが本書です。


この「戦争の日本近現代史」は日清戦争から日露戦争を通して太平洋戦争に至るまでの道筋で
キーマンや大衆の考え方がいかに変わっていくかを具体的な文献でさらっと通していきます。
日清戦争以前は政府側はリアリストで列強との戦争を避ける軍事戦略だったのが、
隣国とのトラブルでなし崩し的に戦争をする理由を作らなければならない状況に追い込まれていく。


戦争への合意形成プロセスがわかります。