「ミミア姫」 1巻、2巻 田中ユタカ

「永遠の初恋マンガ家」として知られる田中ユタカの一般向け作品です。


物語は姫が生まれるところから、回想シーンとして始まります。
舞台は雲の都、人はみな天使の羽を持ち、空を飛び、未来を予知することができる世界です。
そんな世界で唯一羽を持たず、「この星にいた昔の神さまの姿」として生まれてきたミミア姫
彼女が周りから祝福され支えられながら、姫としての運命を受け止めて必死で生きる姿を描いています。


とりあえず丸顔のミミア姫がめちゃくちゃかわいいですね、ええ。
素直で賢くて、芯が強い、そんな素敵な女の子としての魅力が存分に描かれています。
少年への恋心に気づくか気づかないかのシーンなど、非常に優しい描写で好感が持てます。


ミミア姫のこの世界での立ち位置はと言うと、
ミミア姫以外の人は念話で心が通じ合うことができるんですが、
対照的にミミア姫は言葉でしか話すことしかできません。
いわば現実の普通の人。
しかしミミア姫はそのギャップを努力によって補うことによって、
人はわかりあえることができるという力強いメッセージを発しています。
彼女は一人で全人類を代表して、心は伝わると言ってくれているのです!


そして2巻からは姫が原因とみられる不吉な予感がただよってきます。
周りに支えられて一国の姫として、一人の人間として強く育ったミミア姫はこの事態にどう対処していくのか。

3巻が非常に楽しみです。

ミミア姫(2)騎士の帰還〜光の羽根の少年〜  (アフタヌーンKC)

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