百合女子高生4人組の痛みを伴う青春劇 紅玉いづき「ガーデン・ロスト」

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表紙で百合を期待して買ったのですが、百合だけではない素晴らしい作品でした!
仲良しの女子高生4人組のかけがえのない青春時代をそれぞれの視点から4編に分けて鮮やかに描かれる群像劇。
けして楽しいばかりではなく、むしろ痛みや苦しみに満ちた日々だが、そこにはある種のきらめきが確かにあった。


優等生で偽善者のエカ。
女の子らしい容姿だが不幸な境遇を抱えた、スイーツでビッチなマル。
みんなが憧れるボーイッシュな外見に悩み、欲を持たないオズ。
低血圧で受験のプレッシャーに葛藤するシバ。


個人的にはスイーツのマルが大っ嫌いでした!
マルが周りの女友達を踏みにじって恋愛してるのを気付かずに脳天気でいるのが、もうダメ。
一方、世の中全てに呪詛を投げかけているようなシバが大好きですね!
シバの母親は教育ママでシバにかなりの期待をかけているのですが、思うように成績が上がりません。
自分を呪い、母親を呪い、のんきな友人を呪いながらも母親の期待に応えようとする根性に心が震えます。


百合要素は少なめですが、エカ×マルの保護、非保護関係もいいし、
オズ×シバの自立して距離を取りながらもお互いの容姿に憧れ合う関係もなかなか。


こういう青春小説要素多めで、ほんのちょっとだけ百合要素入ってるのいいなー!
やっぱり青春はぐっちゃぐっちゃに悩まないとな!