妖怪少女は強いのだ!おどろおどろしさとポップさが同居した妖怪退治もの。 阿部洋一「少女奇談まこら」1巻
- 作者: 平野俊貴,阿部洋一
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/10/15
- メディア: コミック
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というわけでホイホイと買ってしまいました「少女奇談まこら」、期待通りに面白い!
主人公まこらは妖怪皇の父親と人間の母親のハーフ。
そんなまこらが父からもらった妖怪が見える左目と3体の妖怪のしもべで妖怪退治をしていく話です。
「バビル2世」と「どろろ」と「ゲゲゲの鬼太郎」を足したような感じ。
まこらと3体のしもべが知恵と機転と働かせて凶悪な妖怪に立ち向かっていくところは
オーソドックスなバトルアクションものとしてとてもワクワクするものです。
本作の魅力はおどろおどろしい雰囲気とポップな雰囲気を併せ持つ不思議な絵柄。
カメラワークも縦横無尽に駆使されて立体的な構図を作っているので1コマ1コマ見ていて飽きません。
グレンラガンのニアちゃんみたいな十字目のまこらがかわいくて力強いのだ!
レトロな雰囲気を出しつつもあくまで現代風にポップにアレンジされた今作、妖怪ファンなら必見です。
あと余談ですけど、
宇野常寛「ゼロ年代の想像力」で親のような存在が生きる意味を与えてくれない現代において、
生きる意義を見出すために「擬似家族」と「新教養主義」という解決策を提示しています。
今作では親がいなくなった代わりに3体のしもべとの絆により少女が自分を取り戻していく様は、
「家族から擬似家族へ」という図に合致しますし、
娘に生きる手段だけを与えて自由にさせるという構図も「新教養主義」のようであります。
そういった視点からもこのマンガは非常に現代の精神性が現れているんじゃないかな、と思います。
最後にこれは余談どころか関係ない話ですが、
先ほど引き合いに出した横山光輝「バビル2世」も親から離れて一人戦う最強の少年の話なのでオススメ!
冒頭で主人公の少年は夢でバビルの子孫であると啓示を受けて目覚め、親が止めるのも聞かず出ていったまま帰って来ないのですが、
これってあまりに電波な少年ですよねw
- 作者: 横山光輝
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 1994/10/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 宇野常寛
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/09/09
- メディア: 文庫
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