おおかみこどもの雨と雪 感想

twitterでの前評判がいいので、先入観ができてしまう前に映画「おおかみこどもの雨と雪」見てきました。
つーかtwitterで見る前からレビューがガンガン流れてくるので先入観できるのが嫌で早めに行ったんだよ!
という自分の気持ちもあったので、以下ネタバレで感想書きます。








まずはじめに言っておきたいことは、
幼児期の雪ちゃんかわいいいいいいーーーー!!!!!
いい子にしてるときには人間なのに、
わがまま言ったり喜んだりするとついおおかみになっちゃうんだよ!
かわいい!!
感情がそのままビジュアルになるのはアニメならでは!


と、まあ落ち着いたところで総合的な評価を先に書いておきますが、
面白かったけどサマーウォーズほどエンターテイメント性はないし、映像がとてもきれいということはないので、
ツタヤなりで借りて見れば十分かな、と思います。
優しい気分になれるので、友達や家族、恋人などと行く映画としてはとても優秀です。
twitterで言われてた獣姦がやばいってのはノイズでした)


で、詳細なレビューに移っていきますが
まず序盤から一貫して思ってたのは、
人とのつながりがないと育児ってホントできないことだらけで詰むんだなあ、と。
サマーウォーズでは人とのつながりで敵を撃破してたけど、その裏面。
育児は一人でやるもんじゃないですね、はい。
はなちゃんくらいの異常なハイスペック母親じゃないと母も子も死んじゃいます。
育児は夫、お医者さん、ご近所さん、両親みんなの助けを借りてやりましょう。


はなの親からすれば、学生でどこの馬(狼?)の骨かもわからぬ男と妊娠、危険な自然出産の末、男が蒸発するとか、
もう親不孝限りないですね。子育てアニメなのに……はなと両親の仲は最悪としか考えらない。
はなには大学の友達もいなかったね。友達なし両親なしで子持ちとかハード過ぎる。


映像としては特にキレイというわけではないけれど、
遠景の中にポツンとキャラがいる構図が多い。
こういう構図はキャラが大自然に比べればちっぽけな存在なんだよ、と暗に言っているようです。
ソ・ラ・ノ・ヲ・トでも取られていたこの手法は好きなので自分としては高ポイント。


あとは、男のオレでも母親の気持ちになるなあ。
最後の「何もしてあげられてない」というセリフはほんと母親って感じでしたね。
それを反転するとうざい母親になっちゃうんですが。



あと、本棚が面白かった。
自分にわかったのは子どもの頃に読んでて思い入れの深い絵本だったけど、
オオカミの生態に関する本や育児書や哲学書もきちんとタイトルが出てたのでわかる人には楽しいんじゃないでしょうか。
自分に確認できたのは「くまの子ウーフ」「11ぴきのねことぶた」あたり。
他にもあった気がするけど忘れた。


はなが田舎に住むという判断から雨と雪にヒトとオオカミという選択肢が与えられているのはわかるんだけど、
ほんとに雨がオオカミになっちゃったのはびっくりしたなあ。
田舎の自然が多く出てくるんだけど、「自然を守ろう」とか「田舎最高!」的なメッセージもあまりあつかましくなくて良かった。
これ見たら都会でみんなの手を借りて子育てしようとしか思わないよね。


あとは宮崎あおいの幼妻(性的な意味で)役もそろそろ定番のはまり役になってきたのを改めて実感。
彼女には3次元人妻ロリというジャンルをたった一人で開拓していって欲しいですね、はい。


と、ここまで書いておきながら以下のレビューに完全に負けたので白旗としてリンク貼っときます。
togetter:おおかみこどもをハートフルな話のままにしておきたい人は絶対に見ちゃダメなレビュー


※2012年8月11日追記
こちらのレビューも非常にいいとこを突いていたので紹介しておきます。
これは「母性」ではない。――『おおかみこどもの雨と雪』論
http://sunakago.hateblo.jp/entry/2012/08/01/223037