E. M. シオラン「生誕の災厄」
- 作者: E.M.シオラン,出口裕弘
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 1976/02/01
- メディア: 単行本
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海外の哲学者の本なんて自分には興味の遠いこの本を買うきっかけになったのはこのbotだ。
シオランbot
https://twitter.com/Cioran_Jp
シオランの言葉たちはほんとうに魅力的だ。
この本のタイトルの通り、なぜ生まれてしまったのか、それについての恨みきれない恨みがぎっしり詰まった本。
もはやこの世にいない大勢の友人たちのことを考え、哀憐の思いに囚われる。とはいえ、死者たちはさして同情するに及ばないのだ。なぜなら、彼らはすでに一切の難問を解いてしまったのだから――まず手始めに、死という難問を。
かといって死を希求するわけでもない。
何もわざわざ自殺するには及ばない。人間はいつも遅きに失してから自殺するのだ。
シオランの真に迫った苦しみから発見された真理。
何事かをなしたいものはそれを発見してはならない。
この世に怒り、この世を恨み、この世をはかなんだ末の疲労の思想、厭世の思想がここにある。