2013年面白かったマンガbest10

そろそろこのマンガがすごい!も出てマンガブログでもランキング出すシーズンですね。
今年もこのブログでランキングやります。
僕は2010年から始めてるのでこれで4回目です。感慨深いなあ。
選考基準はただ一つ!僕が読んで欲しいと思うか!
それではどうぞー。



1位 松本次郎「女子攻兵」

女子攻兵 02 (BUNCH COMICS)

女子攻兵 02 (BUNCH COMICS)

先日の記事にも載せた「女子攻兵」ほんとうにオススメです。
異次元で女子高生型ロボット「女子攻兵」に乗って戦う本格SFバトルアクション。
女子攻兵がビル立ち並ぶ街を飛び回って異形の怪物たちを倒す描写、
兵士のおっさんたちが段々と精神汚染され女子高生のように振る舞い出す狂気、
常にギリギリの兵力で戦う戦術と駆け引き、
そして「預言者」という超高性能計算機の思惑は異次元で生き延びる主人公タキガワをどこに導くのか……
グロと狂気とギャグとサスペンスが絶妙のバランス。

女子高生型ロボットに乗っててまともでいられる? 松本次郎「女子攻兵」1巻


2位 樫木祐人ハクメイとミコチ

ハクメイとミコチ 1巻 (ビームコミックス)

ハクメイとミコチ 1巻 (ビームコミックス)

元気で冒険好きなハクメイと料理と歌が上手なミコチの二人のこびとがご飯を作ったり
家を建てたり歌を歌ったりするのんびりライフなマンガです。
ものすごく端的に言ってしまえば東方Projectアリエッティなんですが、これが面白い。
料理を作ったり森に遊びに行ったりする描写のいちいちが丁寧に描き込まれていて手作り感があります。
好きなエピソードは市場に買い物に行ったときにミコチが人気すぎて歩くたびに
お店のタヌキやネコやオオカミやヘビにいろいろもらっちゃう話。
こいつらと酒を呑みたいような気分になります。


3位 今日マチ子「アノネ、」

アノネ、(上)

アノネ、(上)

アンネとヒトラーが夢のなかで恋をしたら、というありえない想像を持ち込んだ戦争ファンタジー
今日マチ子先生の絵はかわいくて、かわいくて、その分残酷で。
二人の恋がもちろんハッピーエンドで終わることなんてない。
アンネの日記、その後の直視しがたい光景。その想像力に打ちのめされる。


今日マチ子「アノネ、」


4位 倉田嘘「それでもやっぱり恋をする」

それでもやっぱり恋をする。 (IDコミックス 百合姫コミックス)

それでもやっぱり恋をする。 (IDコミックス 百合姫コミックス)

百合男子で有名な倉田嘘先生がまっとうに描いた百合恋愛マンガです。
彼の画力は何のためにあるのかっていったら断然このような百合シーンを描写するためですよ!
百合男子での百合名場面名鑑が伊達や酔狂ではなく、本当に倉田嘘先生の血肉となったデータベースなのがわかります。
僕は2番目の短編の「あなたがいるから続けて来られたんだよ?」な百合がフェイバリットですね!
我思う故に百合あり、だがそこに我必要なし。


5位 真鍋昌平闇金ウシジマくん」24巻、25巻 生活保護くん編

なぜ今更ウシジマくん?という声もあるかもしれません。
しかし、この24巻、25巻の生活保護くん編が本当に素晴らしくて入れざるを得ませんでした。
去年刊行してたのに読んでいなかった不覚を恥じるばかりです。
闇金を借りるハメになった人たちの人生模様をリアルに描くこの作品ですが、
ここでは生活保護を受ける佐古がなんとか働いたりしようとする話です。
生活がままならない佐古がその鬱憤からネットのDQN大学生を炎上させて自尊心を満たすあたりが
まさに現代の縮図です。ガッチャマンクラウズよりもハードコアなネットの暴力性。
最後に改心した佐古に厳しい言葉をかけるウシジマくんの優しさがしみる。


6位 施川ユウキ「鬱ごはん」

今年はオンノジにバーナード嬢曰くもあり施川ユウキ豊作の年でしたが、
自分が特に何度も読み返してしまうのはこの鬱ごはんです。
就職浪人生、欝野たけしがただ生きるために日々食べ物と向かい合う、鬱々とした男の一人メシ。
傍目にはすごくさびしそうに見えるし、自分でもすごく満足してるってわけでもないんですが、
まあ一人は一人なりになんだかんだで楽しいって感じがよく出ています。
想像上の話し相手もいるし。
久しぶりに会った友人が無職になっていて安心するエピソードが好き。


7位 武富健治鈴木先生

鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)

鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)

今年の頭に映画化もされた話題作を最近ようやく読み始めてすごくハマっています。
これまでの教師ものといえば金八先生GTOを引き合いに出すまでもなく、
問題児を中心としてそれを教師が超越者、ヒーローとして解決していく話だったのですが、鈴木先生はそれのアンチテーゼを地でいっています。
鈴木先生は「何の目立った問題もなさそうな生徒こそ理想のクラスにとってキーである」と考えていて、
生徒が問題行動を起こしたときも、その当人を更生させるだけでなく、その陰でおろそかにされる生徒のことに気を配ります。
また、先生が体力も精神力にも倫理観にも限界があるただの人間だということも強調されています。


極端な話でいうと鈴木先生はセックスではゴムなし派なんですが、生徒がそれがらみで問題を起こしたときに
自分を棚に上げてつけろとは言わず、つけることとつけないことの意味を考えさせる方向に向かわせるシーンがあります。
教師としての権威を保ちつつ、模範的な人間ではない鈴木先生個人としての誠実さも貫き通すというアクロバティックな解決です。
モンスターペアレント体罰問題で教師が弱くならざるを得ない時代の教師の強さを教えてくれます。


8位 道満晴明ヴォイニッチホテル

ヴォイニッチホテル 1 (ヤングチャンピオン烈コミックス)

ヴォイニッチホテル 1 (ヤングチャンピオン烈コミックス)

わけありの日本人青年が太平洋の小さな島のホテルに流れ着くことから始まるシュールな群像コメディです。
絵柄は萌え系を思わせるポップなものなのに、全体的に死と悲しみがおおっておりフランス映画のようでもあります。
登場人物も主人公をはじめとしてアウトローな人ばかりだし。
それでも道満晴明先生のブットンだシュールギャグは超一級で、話を進めながら1Pごとにいちいちギャグを入れてくるのはほんとズルい!
日常系萌えマンガとサブカル系海外映画センスの奇跡の悪魔合体をご堪能ください。
これが気に入ったら成年コミックですが「性本能と水爆戦」もオススメ。


9位 横槍メンゴクズの本懐

クズの本懐(1) (ビッグガンガンコミックス)

クズの本懐(1) (ビッグガンガンコミックス)

偽装カップルの報われない恋のお話。
お互いに絶対に付き合えない相手を想っていて、ただの代理として付き合ってる、だから「クズ」。
好きだけど、どうしようもないという気持ちが全編をおおっています。

少女マンガタッチなのですが、キスの描写がすっごいエロいです。
生々しい感じじゃなくて感情をエグるような感じでエロい。
あとあくまで脇役ですが、百合っ子もいます。
男含めキャラが全員美形なのは眼福。


10位 大暮維人 舞城王太郎バイオーグ・トリニティ

エア・ギアで有名なあの超絶クールでセクシーな世界を描いちゃう大暮維人と!!!
愛をポップでクレイジーに語らせる勢いでは右に出るものはいない舞城王太郎が!!!
まさかのコラボレーションですよ!!!
人にバグ穴というものが空いてなにかと融合できるようになった世界なのですが、
大暮維人先生が描くいろんなものと合体したバグ人間は見てるだけでため息が出るほどダイナミック!
そして舞城王太郎により駆動される愛の物語。
「ヤバい、マジで榎本芙三歩のことが好き過ぎて俺死ぬ」
こいつらのタッグは誰も止められない!


というわけで以下のようなランキングになりました。
最近はマンガを積ん読してしまうことが多いので来年はもっと読みたいですね。では!


1位 松本次郎「女子攻兵」
2位 樫木祐人ハクメイとミコチ
3位 今日マチ子「アノネ、」
4位 倉田嘘「それでもやっぱり恋をする」
5位 真鍋昌平闇金ウシジマくん」24巻、25巻 生活保護くん編
6位 施川ユウキ「鬱ごはん」
7位 武富健治鈴木先生
8位 道満晴明ヴォイニッチホテル
9位 横槍メンゴクズの本懐
10位 大暮維人 舞城王太郎バイオーグ・トリニティ